【読書感想】大往生したいなら老人ホーム選びは他人にまかせるな(著者:本岡類)!

介護業界について色々と調べていることは前も書いた。

その一環として、今回は、老人ホーム選びについて書かれている本を読んだ感想についてまとめた。

 

本のタイトル

書籍名:大往生したいなら老人ホーム選びは他人にまかせるな!
著者:  本岡類
出版社: 光文社
出版年: 2012年

 

老人ホーム選びをはじめる際に参考になる本

この本は、老人ホーム選びを考えはじめたときに参考になる本である。

出版から10年近くたっているので、介護業界の現状とはちょっと違ってきている点もあるだろう。

老人ホーム見学ツアーに参加した著者の体験話などが書かれていてやや冗長ではあるけれど、ときおりポロっと書かれている小話に教訓が詰まっている。

アマゾンの評価はそれほど高くないのだけれど、いやどうしてどうして、著者の実体験を交えた話が載っているので、私にとっては参考になる話が多かった。

 

印象に残った話

・老人ホームの体験入居は1週間すべきである。1泊2泊では不十分。体験入居を1週間すれば、その施設の職員全員を直接知ることができる。

・実際に老人ホームで働いている職員に話を聞くべき。

・いくら事前に見学をして老人ホームを選んでも、入居してからの人間関係がどうなのかまでは分からない。

・離職率が著しく高い施設は避けたほうがよいが、離職率が低いからといって良い施設とは限らない。離職率が低いのは職員が怠けていても働ける=職員に都合がよい施設である可能性もある。

 

特養の選考基準について

この本で参考になった話は、特養(特別養護老人ホーム)の入居者選考についてである。

特養は福祉的色合いが濃いもので、株式会社による運営が許されていない。

そのせいもあり、特養では入居者選考にあたり選考基準を設けており、基本的には入居者選考会議で指数が高い人から入居できる。

とはいえ、指数が同じであれば、特養に附設された施設(デイサービスや訪問介護)を以前から利用している人などの顔見知りや、議員の口利きがあった人が入居することが多いという話がこの本には書いてあった。

こういった話は特養の関係者でなければ知られていないので参考になった。

 

感想

老人ホームというのは法律上は福祉施設だから、福祉=金儲けという印象は一般的に薄い。

けれども、最近の老人ホームの多くは株式会社が運営しており、そういう会社が運営する老人ホームでは福祉=金儲けなのだ。

この点、昔の意識のまま福祉=金儲け=悪いことをしないと勘違いしている高齢者は多いと思う。

なかには、本契約までは営業マンが担当する老人ホームもあるらしい。ベテランの営業マンの手にかかれば、老人は簡単に契約してしまう。

この本には、老人ホーム側の口車に乗せられてはいけない・まずは現場の人と話をするべきである旨が再三にわたって書かれている。

老人ホームに見学に行く際には、できるだけ現場で働いている人に話を聞くことにしよう。

 

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