墓じまいを考える(その2)葬儀の簡略化の影響

コロナ禍で葬儀を簡略化する遺族が増えていることは以前も取り上げた(墓じまいを考える(その1)コロナ禍でのお葬式と永代供養)。

具体的には、コロナ禍でお通夜を中止して告別式のみ行う葬儀が増えているそうだ。

 

葬儀の簡略化が管理料の値上げにつながる

葬儀が簡略化されれば、いわゆる「お布施」が減るので寺院の収入が減る。

寺院収入の減少は、最終的にはお墓の管理料の値上げにつながるだろう。

ウチの実家の場合、お墓を維持するために現在でも年間数万円の管理料を払っている。ただ、この管理料が毎年さりげなく数千円ずつ値上げされている。

今後は葬儀が簡略化されてお布施が減ってお寺の収入が減るだろうから、管理料の値上げ幅が大きくなるかもしれない。

そうなると、10年で管理料が倍近く上がる可能性がある。本当にそうなるならば、このままお墓を維持すべきかを数年後、家族会議で話し合おうと思っている。

 

寺院と幼稚園経営

ところで、幼稚園を経営する神社仏閣は少なくない。

実家の菩提寺も幼稚園を経営している。

ところが、待機児童の増加により、ここ数年、菩提寺の周りには保育園が雨後のタケノコのごとく新設された。

菩提寺でも預かり保育をやっているが、仕事を持つ母親としての観点からみると、仕事のしやすさという点では保育園に軍配を上げざるを得ない。

それに、菩提寺は交通の便が良いとはいえない場所にある。菩提寺がある地域は、山手線の内側地域のように経済的に豊かな人たちが多く住んでいる地域ではないから、幼稚園に預けて専業主婦をする世帯は多いとも思えない。

今後、菩提寺の幼稚園に入園する子どもを確保できるのか、檀家として少し心配である。

幼稚園の経営がひっ迫すれば、お墓の管理料の値上げにつながる。

幼稚園の存在もまた、管理料値上げのリスク要素だ。

幼稚園が定員割れして経営を圧迫するのならば、こども園に転換すればいいとも思うのだが、住職に聞いたところ、こども園に転換するとなると準備が必要なことも多く、どうやら、幼稚園のままでいたほうが事業者にとって都合が良いみたいである。

 

墓じまいを考える(記事のまとめ)

墓じまいを考える(その1)コロナ禍でのお葬式と永代供養

墓じまいを考える(その2)葬儀の簡略化の影響