挿絵が美しい。滝平二郎の挿絵の絵本3つ【代表作】
滝平二郎の絵が好きだ。
滝平二郎という人を知らなくても、
滝平二郎の絵を見れば、見たことがあるという人はたくさんいる。
そんな滝平二郎の絵を挿絵に用いた絵本3つを紹介する。
以下に紹介する3つの本はいずれも、斎藤隆介との共作である。
「モチモチの木」のあとがきには、作者・斎藤隆介が挿絵を滝平二郎にお願いしたと書かれている。
モチモチの木
斎藤隆介・作
滝平二郎・絵
岩崎書店
表紙に描かれている、じさまと豆太の絵の線が実に力強い。
教科書にも採用されている、
言わずと知れた「モチモチの木」。
以前も別の記事で取り上げた。
【光村図書】読み聞かせに使える。小学国語教科書(小1~小3)
夜中にトイレ(せっちん)にもいけない臆病豆太が、
腹痛になったじさまのために、
夜道をかけて医者様のところに飛び込んだ。
その夜にみたのがモチモチの木。
モチモチの木の挿絵が光輝いていて美しい。
この本は見開きA3よりも大きい、大型本なので、
モチモチの木のページを絵本でみると迫力がある。
モチモチの木は教科書にも載っているが、
滝平二郎の絵を楽しむには、迫力がある絵本で読んでほしい。
モチモチの木のお話は、
後に紹介する半日村・花さき山のように
教訓めいていないところが私は好きだ。
半日村
斎藤隆介・作
滝平二郎・絵
岩崎書店
山に日が遮られて、
半日しか日が当たらない村ーそれが半日村。
半日村では半日しか日が当たらないので、
作物の出来もよくない。
あるひとりの少年が、
毎日毎日、山の土を運び始めた。
毎日山の土を運ぶ少年は最初、バカにされていたが、
そのうち一緒に土を運ぶ子どもが増えて、
やがて村の大人も土を運ぶのを手伝った。
そうしたら何十年後に山が削られ、
村に日が当たるようになった。
そういう話。
・ひとつのことを諦めずに続けていると、賛同してくれる人が必ず現れる。
・みんなで力を合わせると、不可能だと思っていたことが可能になる。
という教訓がこめられていると感じた。
花さき山
斎藤隆介・作
滝平二郎・絵
岩崎書店
花さき山にはいろとりどりの花が咲いている。
いろとりどりの花の画が幻想的で美しい。
花さき山の花は、誰かが人のために尽くすと咲く。
「誰かのために何かをすると良いことがある」という、教訓が書かれた話。
花さき山にたくさんの花が咲いているのは、
誰かのために何かをしている人がたくさんいるということ。
この本は方言で語られているのも、臨場感あふれていて良い。