女性の就業率と待機児童【2021年】
厚生労働省は、2021年4月1日時点の待機児童が前年より6805人少ない5634人になったと発表した。
報道によれば、2021年4月1日時点の待機児童の数は、統計を取り始めた1994年以降で最少となったとのこと。
認可保育所の申込数は前年より減少したとのことだ。
女性の就業率と保育所整備
以前ここで取り上げたように、女性の就業率はここ10年はずっと増加傾向だった(最近10年間の女性の就業率の変化)。
けれども昨年(2020年)は女性の就業率が減少した(77.0%→76.1%)。
昨年に女性の就業率が減少した原因は、コロナ禍による景気の悪化と、感染をおそれて保育所の利用控えがあったせいだと推測されている。
報道によれば、今後も女性の就業率は増加すると見込んで、今後も保育所の整備を進めていくとのことだ。
2020年と2021年上半期の女性の就業率
以前最近10年間の女性の就業率の変化で取り上げたように、子育て世代(25-54歳)の女性の就業率はここ10年ほどでじわじわと上昇し、現在80%弱である。
ただ、出産時年齢のボリュームゾーンの女性(34-44歳)の就業率は、ここ3年ほどは75%強(76%前後)で足踏み状態である(労働力調査(基本集計) 2021年(令和3年)7月分結果・2021年8月31日公表・第16表 年齢階級別就業率(エクセル:23KB))。
同世代の男性の就業率は93%前後であることを考えると、同世代の男性の就業率との差は約15%である。
年齢階級別就業率(エクセル:23KB)より抜粋して作成
わたしの肌感覚で恐縮だが、共働きが多数派を占めるようになった現在でも、3歳頃までは出来る限り自分の手で子育てしたいと考える女性は10人に1人はいると感じる。
わたしの感覚が正しいならば、育児世代の女性の就業率は、保育所をこれ以上整備したとしても、もはや簡単に上がらない数値まで上がりきっていると思うが、果たしてどうだろうか。
今後も政府は保育所の整備を進めるとのことだ。
保育所の整備によって女性の就業率がこれ以上増加するのか、今後もチェックしていく予定だ。