最近10年間の女性の就業率の変化
国は、2021-2024年の4年間で新たに14万人の保育の受け皿を確保する方針とのこと。
上記記事によれば、国は女性の就業率を82%まで増やしたい考えとのこと。
先日、中高年女性の就業率の増加について取り上げた(中高年女性の就業率の増加と産後ケアの必要性)。
中高年女性に限らず、最近10年間で女性の就業率がどのくらい増加したのかを調べてみた。
最近10年間の女性の就業率の推移
上のグラフ(最近10年間の女性の就業率の推移)をみると、以下のことが分かる。
・どの年代の女性も就業率が増加した
・就業率が最も大きく増加したのは55-64歳女性(上のグラフの黄色い線、2009年51.7%→2019年66.1%)
女性の就業率の推移のグラフから分かること
上のグラフから、小さな子どもがいる世代(25-44歳女性)の就業率が増えたことよりも、実は、シニア世代女性(55-64歳女性)の就業率が増えたことのほうが、最近10年間の女性の就業率の増加に大きく貢献していることがわかる。
小さな子どもがいる世代(25-44歳女性)の就業率は2019年現在で約80%であり、25-44歳女性について、これ以上大きな就業率の増加を見込むのは難しいだろう。
国は新たな保育の受け皿を確保して女性の就業率を上げる目論見のようだ。
しかし、女性の就業率をこれ以上上げたいのならば、子育て世代(25-44歳女性)の就業率を上げるよりも、実際のところはシニア世代女性(55-64歳女性)の就業率を上げるほうが手っ取り早い。
今後は出生数が減ることが見込まれているし、地方は待機児童など関係ない話だから、本当のところは新たな保育の受け皿などこれ以上必要ないかもしれない。