【読書感想】日本人の9割に英語はいらない 英語業界のカモになるな!(著者:成毛眞)
日本人の9割に英語はいらない 英語業界のカモになるな!
衝撃的なタイトルが目を引く本である。
この本を図書館で偶然目にして借りた。
この本の著者は、外資系企業(マイクロソフト)日本法人のトップを務めた人だ。
学者や専門家が書いた本ではないので、とても分かりやすく書かれている。
現在は中古本でなければ入手が難しいようだ。
図書館で借りて一読をおすすめする。
アメリカをただ真似しても日本では上手くいかないと著者はいう。
強烈で狡猾な起業家・それを支えるCEO・面白さを求めて集まってくる技術者・斬新なビジネスに資金を提供してくれるファンドのどれも日本には存在しないのだから。
確かにその通りだ。
日本は別の方法を摸索しなければならない。
そして、この本の後半で12冊の本が紹介されている。
10年以上経った今でも読む価値がありそうな、面白い本が並んでいる。
本書の概要
この本はタイトル通り「英語業界のカモにならないように!」と警告する本である。
著者の言いたいことを要約すると、
・仕事で英語が必要な人は全体の1割しかいない
・英語を勉強するよりもまず本を読め
・日本語で大学の授業を受けられることは幸せなこと
・とはいえ、1割の人は英語を勉強せよ
である。
つまり、
「英語を勉強するよりもまず、日本語でモノを考えるようになれ」
ということだ。
英語が必要でない9割の人は自ら、
日本語でモノを考えなくなるために英語を学んでいるようなものだ。
皮肉なことだ。
哀しいかな、
この本の出版から10年以上経って現実は、
この本がダメだと言う方向に進んでいる。
なぜなら今は思いっきり「英語業界のカモ」になっているから。
日本の教育はとにかく「英語!英語!」という方向に進んでいる。
その一方で、翻訳ソフトの開発が進んで、その機能が相当向上しているといわれている。
9割の人は将来、翻訳ソフトを使えば英語を勉強しなくても足りるだろう。
それなのになぜ英語教育の推進が続くのだろうか。
日本人の9割に英語はいらない 英語業界のカモになるな!
著者:成毛眞
出版年:2011年
出版社:祥伝社