関東人が知らない大阪府立高校入試の【英検優遇】

最近、上の子の英検受験に際して、英検のことを調べていて、あることに気づいた。

それは「関西の英検受験塾のウェブサイトがやけに多い」ということ。

その原因が分かった。

どうやら、大阪府立高校入試で「英検優遇措置」を採っているのが原因だということ。

 

大阪府立高校入試での英検優遇措置とは

大阪府立高等学校の英語学力検査問題改革において、TOFEL等で所定の点数以上を獲得したり、英検(2級以上)を取得した場合、府立高校入試の得点を保証することになっている。

出典:https://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/gakuji-g3/eng_sam.html

たとえば、英検準1級を取得している場合、府立高校入試の英語の入試点数のうち全部(満点)が保証され、英検2級を取得している場合、満点の8割の得点が保証される。

だから、府立高校入試の当日の英語試験でたとえば90満点中50点しかとれなくても、英検準1級を取得していれば満点90点まるまる入試の得点としてもらえる。

当日勝負の府立高校入試において、英検による得点保障は受験生にとっては確かにオイシイ制度である。

 

北野高校志願者の8割弱が英検による優遇を利用

英検取得による大阪府立高校入試のメリットについては、関西(西宮)の英語塾ABCさんの以下のサイトに詳しく説明されている。

英語塾ABCさんのサイトによれば、大阪府立高校入試において、トップ校の北野高校の志願者のうち8割弱がこの制度を利用したとのこと。

確かに、早い時期に英検を取得しておけば、府立高校入試で英語の得点を早期に確保できるし、そのうえ、入試直前に英語の勉強に費やす時間を数学など他の科目に回すことができるのは有難い。

ただ、この制度の適用は英検2級以上であることから、府立高校入試で英検取得による優遇制度を利用しているのは主に、北野高校など成績上位者が受験する高校の志願者なのだろう。

とはいえ、英検2級以上ともなれば、それなりの水準のライティング力が求められるので、中学生の段階で高い英語力をつけるために英検を受験するメリットは大きいのは確かだ。

大阪の府立高校入試でこんな取組みが導入されていたとは知らなかった。

大阪府立高校入試での英検による優遇制度は、関東人にはほとんど知られていないと思う。

果たして、東京都は都立高校入試でこういった制度を導入する気はあるのだろうか。

 

有識者の激励メッセージには…

ところで、大阪府立高等学校の英語学力検査問題改革の説明の欄の最後に「有識者の激励メッセージ」が掲載されている。

出典:https://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/gakuji-g3/eng_sam.html

これを見ると、大学教授とともに、楽天の三木谷会長と某大手予備校の英語講師の名前が列記されている。

「大阪府立高校入試の英語学力検査問題改革」という公的文書に、思いっきり商売っ気アリアリの方々のお名前が掲載されているところが大阪らしいというべきか。