【音読におすすめ】春はあけぼの 声にだすことばえほん【小学校低学年向け】

小学校からは音読の宿題が出されることが多い。

でも…毎日教科書ばかり音読するのはとても退屈だ。

そこで、小学校低学年向けに優れた音読教材をずっと探してきた。

そして見つけたのが、絵本「春はあけぼの 声にだすことばえほん」だ。


春はあけぼの 声にだすことばえほん(ほるぷ出版)

 

枕草子の第一段を絵本にしたもの

絵本「春はあけぼの 声にだすことばえほん」は、枕草子の第一段を絵本にしたものである。

枕草子といえは「春はあけぼの…」である。

枕草子の第一段「春はあけぼの…」は、中学国語の教科書に載っている。

中学生の頃、うんざりしながら古文の授業を聞いていた人は多いはずだ。

わたしもそのひとり。

でも、大人になって枕草子を読んでみると、その文章のリズムの良さに感嘆せずにはいられない。

枕草子を何度も何度も読んでいくうちに、清少納言が書いた文章の歯切れの良さがわかってくる。

 

小さい子が理解しやすい

「枕草子」第一段の文章は短いので、小さい子の音読に適している。

また、大人は「枕草子」を読んで情景が思い浮かべることができる。

でも小さい子は人生経験がまだ少ないから、枕草子で描かれている情景を思い浮かべるのが難しい。

絵本「春はあけぼの 声にだすことばえほん」では、枕草子の情景が挿絵で描かれている。

「枕草子」第一段は四季の情景が描かれている。だから、子どもにもわりと理解がしやすい。

 

挿絵の色彩が美しい

絵本「春はあけぼの 声にだすことばえほん」は挿絵の色が美しい。


「月のころはさらなり」の場面

 

表紙には、春「紫立ちたる雲のほそくたなびきたる」の様子が薄紫色と薄桃色をベースに描かれている。

春・夏・秋・冬それぞれ、色彩豊かな挿絵が描かれている。

とても感覚的な挿絵が印象的だ。

こどもむけの絵本は世の中にたくさんある。

でも、枕草子みたいに、小さな子どもにも読みやすくてシンプルで飽きのこない文章はそうそうない。

美しい文章は、美しい音楽と同じだ。

そして、枕草子第一段はとにかく明るくてリズムが良いので、小さい子どもが音読するのにとても向いている。

 

小学校低学年におすすめ

音読は国語力をつけるためにとても大切だ。

美しい文章を音読して、文章のリズムを体にしみ込ませるのが大切だ。

絵本「春はあけぼの 声にだすことばえほん」「枕草子」のシンプルで歯切れが良い文章を味わってほしい。

小学校低学年のこどもと親子でいっしょに音読すると、ちょうどよい。

「親子でいっしょに大きな声で音読する」なんてこと、こどもが小さいうちしかできない貴重な体験だ。

 

春はあけぼの 声にだすことばえほん

文 清少納言
絵 たんじあきこ
編 齋藤隆

ほるぷ出版

初版2005年