幼稚園も人手不足なのか(新宿区立幼稚園・幼稚園支援員の例)
公立園というのは正規の公務員先生ばかりだとだと思いきや、
今はそんなことはない、と聞く。
ここ数年ほどで保育園の数が劇的に増えたこともあり、
保育教育業界は慢性的な人手不足で、
公立園でも非正規雇用の割合が増えているらしい。
それは本当だろうかと思っていたところ、
日曜日の新聞の折込広告で
「幼稚園支援員」
の募集広告が目に飛び込んできた。
2022年3月13日付・読売新聞折り込み広告(新宿・中野・杉並エリア)
新宿区立幼稚園の支援員募集
新聞折込広告の幼稚園支援員の勤務地は「東京都新宿区」と記載されている。
けれども、勤務先である幼稚園の具体名は書かれていない。
「高田馬場」・「新宿御苑前」と幼稚園の最寄り駅は書かれている。
時給1,500円(派遣社員)
パートとしては決して悪くない額である。
ちょっと働いてみようかな、と正直思う。
公立幼稚園も派遣社員頼みか
同じ求人をネット上で探すと、
同じ派遣会社による新宿区立幼稚園の支援員の求人が見つかった。
出典:しゅふJOBより
上記の新聞折込広告とこのネット広告は間違いなく、
同じ幼稚園支援員募集の広告だろう。
新宿区には区立幼稚園がたくさんある。
ネット広告には、求人を行う勤務先の区立幼稚園が7園が記載されていた。
出典:しゅふJOBより
新聞折込広告には「公立幼稚園」の支援員だということは
伏せられていたのだ。
公立幼稚園が支援員募集の広告を出していることは、
広く一般には伏せたい、らしい。
時給
派遣社員に時給1,500円支給するということは、
派遣依頼者(新宿区)はふつう3割前後を派遣会社に支払うだろう。
ということは、
新宿区は、幼稚園支援員のための人件費として時給2,000円前後を
支払っていると推測する。
派遣ではなく直接採用ならば、幼稚園支援員は時給2,000円をもらえるのだ。
働いている側からすれば、そのほうが有難い。
新宿という好立地の公立幼稚園でも、
幼稚園支援員確保のために派遣会社に派遣を依頼する。
派遣会社を使わないと人材が確保できないのだろうか。
仕事内容
この求人の仕事内容のひとつに、
「精神的に不安定な園児の対応全般」
との記載がある。
もう少し配慮した表現にすべきだ。
経験不問
この求人募集では、幼稚園支援員は
「経験不問」
とのこと。
「有資格者はもちろん、無資格者も歓迎します」
とある。
もちろん「教職や保育士資格を持っている人は歓迎」との記載はある。
この仕事内容は「精神的・身体的支援を必要とする3~5歳児の保育補助業務」である。
こういった仕事にスキルは求められないのだろうか。
要支援のこどもたちのサポートは、知識とスキルが求められると思うのだが。
新聞折込広告よりもネット広告のほうが、依頼主の本音が出ているように思う。
ネット広告の記載からは、子育て経験がある主婦向けの求人であることがわかる。
出典:しゅふJOBより
こどもたちを支援するような大切な仕事が、
主婦向けで「経験不問」なのは、とても残念なことだ。
要は、子育て経験がある主婦ならば普通にできる仕事、だと思われているのだ。
いろいろな意味で考えさせられる求人広告だった。