10万円給付金:支給対象外のこどもの割合

18歳以下の子どもがいる家庭に子育て10万円給付金が支給されたのは記憶に新しい。

ただ、この子育て10万円給付金には所得制限があった。

ある一定の所得を超えると10万円の給付金がもらえなかった。

「東京23区内では所得制限のせいで10万円給付金がもらえなかった家庭が相当数いるはずだ。」

と思っていたら、東京新聞の記事を発見。

 

10万円給付金支給対象外のこどもの割合

東京23区内で10万円給付金が支給されなかったこどもの割合が高い区(上位8区)が掲載されていた。

子ども10万円給付の所得制限 千代田区・港区・文京区・中央区は半数以上が支給対象外に 「子育て世帯の分断生む」

 

5割を超えるこどもが10万円給付金の支給対象外だった区
…千代田区(56%)・港区(56%)・文京区(54%)・中央区(50%)

4割を超えるこどもが10万円給付金の支給対象外だった区
…目黒区(48%)・渋谷区(46%)・世田谷区(44%)・新宿区(40%)

つまり8つの区では、半数近いこどもが10万円給付金をもらっていない、ということだ。

 

10万円給付金の支給:年収の多い方で判断

今回の10万円給付金の支給基準は、児童手当と同様、世帯合算ではなく、
年収が高い人のほうの年収で判断された。

具体的にいうと、年収が高いほうが年収960万円を超える場合、10万円給付金が不支給になった。

上の例では、たとえば千代田区・港区の場合、
父母どちらかの年収が960万円を超えているこどもの割合が56%である。

つまり、千代田区・港区では実に半数以上のこどもは父母どちらかの年収が910万円を超えている、ということだ。

 

上位8区以外の区の割合は記載されず

残念ながら、上記の上位8区以外の区については、
10万円給付金の支給対象外だったこどもの割合は上記の記事に書かれていない。

10万円給付金の支給対象外だったこどもの割合を区ごとに並べると、
地域格差が浮き彫りになってしまうから、記載を避けたのだろうか。

中学受験率と世帯年収は相関があるといわれている。

東京23区内の区ごとの中学受験率の順位から推測すれば、
中野区の順位は真ん中くらいなので、
中野区における、10万円給付金の支給対象外の子育て世帯の割合は3割台(30~40%)、
といったところだろうか。

東京23区内では、相当数のこどもが10万円給付金を受け取っていない、ということらしい。

 

支給対象外のこどもに給付金を支給する場合

なお、地方には、所得制限を撤廃して、
支給対象外のこどもにも自治体の負担で給付金の支給を決めた自治体もある。

けれども、東京23区ではこどもの数が多いため、
子育て世帯すべてに給付金を支給するとなると自治体の負担は結構重い。
たとえば世田谷区で給付金の支給対象外の子育て世帯にも支給するとなったとすれば、
世田谷区が68億円も負担することになるのも事実だ。

給付金の支給・不支給によって子育て世代を分断するような施策は残念だ。