私の山下達郎暦
山下達郎と中野サンプラザの話の続きである。
私の山下達郎(以下、登場人物は敬称略)暦は、図書館から借りたアルバム『RIDE ON TIME』のカセットテープから始まった。
記憶があやふやだけれども、当時の中野区の図書館にはCDが導入されておらず、このアルバムをカセットテープで借りた記憶がある。
アルバム『RIDE ON TIME』のA面の2曲目に入っている『DAY DREAM』という曲がある。
この曲の躍動感と、いろんな色が出てくる歌詞の斬新さに驚いた。
作詞は吉田美奈子、作曲は山下達郎である。
そして同じ頃、リアルタイムでアルバム『POCKET MUSIC』を友人から借りて聴いた。
以後『RIDE ON TIME』以降のアルバムを聞いた。
ただ『RIDE ON TIME』以前のアルバムを聴く機会がずっとなかった。
山下達郎初期のアルバムに衝撃を受ける
そんななかで、数年前、たまたま山下達郎のデビューアルバム『CIRCUS TOWN』を聴く機会があった。
これが、いままで聴いてきた山下達郎とは毛色が違っていて、ものすごく良かったのだ。
達郎の声が若い。
そして若さゆえ、物凄い声量である。
若き日の山下達郎の声を張り上げて歌う歌い方にしびれてしまった。
これをきっかけに『RIDE ON TIME』よりも前のアルバム『SPACY』、『GO AHEAD!』、『MOONGLOW』を聴いてみた。
IT’S A POPPIN’ TIME
一番の異色作は『IT’S A POPPIN’ TIME』というライブアルバムだ。
ライブアルバムならでは躍動感である。
言うまでもなく、バックのミュージシャンが凄い。
キーボード:坂本龍一、ドラム:村上PONTA秀一、ギター:松木恒秀、ベース:岡沢章、コーラス:吉田美奈子、サックス:土岐英史…である。
捨て曲なし。
たとえば『ピンク・シャドウ』。
吉田美奈子のコーラスも好きだし、間奏では坂本龍一のソロがうねっているし、PONTAのハイハットの音が切れ味鋭い。
シュガー・ベイブ時代
続けて、山下達郎がソロになる前の伝説のバンド『シュガー・ベイブ』のアルバム『SONG』を聴いた。
ソロでの活動を始める前に山下達郎は『シュガー・ベイブ』というバンドで活動をしていた。
これがまた、なんともいえない、シンプルな良さがある。
ソロデビュー時よりもさらに若く張りがある達郎の声がなんとも初々しい。
私が好きな曲は『雨は手のひらにいっぱい』と『SHOW』と『今日はなんだか』。
山下達郎の曲を聴いたことがない若い世代にシュガー・ベイブを聴いてほしい。ハマる人がいるのではないかしら。
山下達郎とCM音楽・バックコーラス
ところで、山下達郎はソロデビュー前後、CM音楽の仕事やミュージシャンのバックコーラスをやっていたことはよく知られた話である。
CM音楽ではたとえば、三ツ矢サイダーやコカコーラのCM(youtubeで検索すると出てくる)。
バックコーラスではたとえば、ユーミンの『ルージュの伝言』が有名である(山下達郎はなぜ「ルージュの伝言」でコーラスをつとめたのか)。他にはアン・ルイスの『恋のブギ・ウギ・トレイン』など。
私はテレビっ子で、小さい頃からテレビをよく見ていた。
山下達郎の『RIDE ON TIME』を聴いたときに「どこかで聞いた声だ」と思ったのは、私が小さい頃からたくさんテレビCMを観たり、他の歌手の曲を聴いたりしていて、山下達郎の声を覚えていたからと思う。
私みたいな人は案外いると思う。
山下達郎の声とコーラスワークは当時、小さなこどもの耳に残るほど印象的だったのだ。