新井薬師という街【2020年3月】

中野区の南のほうに長く住んでいる私はつい最近まで、新井薬師まで自宅から歩いて行けるとは思っていなかった。

新井薬師という町は、中野駅から徒歩圏内である。

具体的に言うと、中野駅北口から歩いて10分足らずで新井薬師に到着する。

中野区内の交通網が南と北に分断されているので、北のほうにわりと簡単に行けることに南の住人は気づかない。

それと同様に、南のほうにわりと簡単に行けることに北の住人は気付かないのかもしれない。

新井薬師という町では商店街が健在だ。

中野駅から歩いて10分足らずだというのに、新井薬師の雰囲気は中野駅周辺とはまったく違う。多摩地区の西武線沿線にある駅のような雰囲気がある。

最近は、鍋屋横丁あたりではチェーン店や大規模薬局・大手スーパーの割合が増えてきた。

対照的に、新井薬師では大規模な店舗の割合がまだ少ない。利益を考えると、大手が手を伸ばしにくい地域なのかもしれない。それが逆に、新井薬師のローカルな雰囲気を助長しているのだろう。なんだか面白い店がたくさんある。この町はこのままで居てほしい。

新井薬師商店街のアーケード

そういえば、中野区の南のほうには踏切がない。

南の住人の私は、踏切をみるとなんだか懐かしい気分になる。

新井薬師駅前の踏切

中野区は南北の交通が分断されているので、南のほうの住人は買い物というと、電車やバスに乗って新宿まで出てしまうのが常だ。

南北を横断する交通網があれば、北のほうまで出かけやすいと思うのだが。